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SNSで知り合った彼氏のバイト先の常連と浮気してしまった

SNSで知り合った彼氏のバイト先の常連と浮気してしまった

この記事を書いた人

はるな

現在の年齢:25歳
当時の年齢:23歳

元彼(A君)との出会い

元彼(A君)とは、私が中学時代に流行っていたSNSで知り合いました。

顔も知らない相手でしたが、歳も近く、話が合ったので、よくメッセージのやり取りや電話をしていました。

そういったやり取りを1年程続けて、A君から電話をしている時に告白されました。

その時には、お互いの顔写真をメールで送り合っていたので、A君がどんな顔をしているのかは知っていました。

ですが、住んでいる所も遠く、会ったこともない人と付き合うのは怖かったので、お断りしました。

ですが、お断りをしてからもこれまでとは何も変わらず、やり取りを続けていました。

ある日、A君からデートに誘われました。

SNSで知り合った友人と実際に会うのは、A君で3人目でした。

会うことに対しては、あまり怖いとかもなかったので、デートをすることにしました。

そしてA君は、バイトで貯めたお金で新幹線に乗り、会いに来てくれました。

実際に会ってみて、顔は写真とあまり変わらず、私のタイプではありませんでした。

それでも、電話やメールでやり取りしていたA君のままで、その時は一緒にいてなんだかとても落ち着いたのです。

そして、デートの終り際に、また告白されました。

「まだ未成年だし遠いから、頻繁には会いに来られないけど、俺と付き合ってほしい。」

正直、童顔で背が低く、むっちりしていたA君の見た目は、あまり好きではありませんでした。

ですが実際に会ってみて、メールや電話越しで話していたままの優しいA君であることを知り、私達は交際することになりました。

付き合い始め

A君とはこれまでと変わらず、毎日のようにメールや電話でやり取りを続けました。

変わったことがあるとすると、今までは言っていなかった、

「好きだよ、おやすみ。良い夢を」

の一言でした。

遠距離恋愛は初めてではないのですが、毎日好きだと言ってくれる人と付き合ったのは初めてでした。

年に1、2回しか会えないけど、毎日やり取りをして、記念日には手紙も送り合っていました。

A君の存在が生活の一部となり、こういったやり取りは、私が成人するまで続きました。

SNSで知り合ったことを、親に話すと怒られそうだったので、A君は、私の友人の友人、ということにしていました。

私の友人や知人には、

「遠距離でこんなに長く付き合えるなんてすごいよね」

とよく言われていました。

この時私は、私なんかを好きになってくれるのは、A君くらい変わった人しかいないと思っていました。

なので、こんな私を好きでいてくれたA君には感謝しかありませんでした。

そして私も、A君を家族のように必要としていました。

初めての引っ越し

そして私は、地元で成人式に出たあと、A君の地元へ引っ越すことを決めました。

初めての引っ越しに戸惑い、業者選びに失敗しました。

A君は引っ越し先で物件を探してくれました。

これから一緒に住むにあたって、家賃などはA君が出してくれることになりました。

なので私は、引っ越し費用を全額出すことにしたのです。

ある日、A君にも話を聞いてもらうため、通話をしながら業者と話し合いをしました。

その日は2つの業者と話し合いをして、A君とも相談をしました。

迷いに迷って、カタログで家電を選んでそのまま購入し、新居に運んでくれる方の業者に頼むことになりました。

もう1つの業者は、費用が安すぎて逆に不安になり、ネットで調べるとあまり良い評価ではなかったのです。

高いけど評価が良いし、家電も買えちゃったから良かった!

などど思っていたのですが、

「家電買ったとしても、移動距離を考えて100万円は高すぎるよ」

と母に言われ、さらに父からは

「もっと慎重になって、色んな業者の話を聞いて選ばないと」

と、叱られてしまいました。

距離も遠いし家電も買ったから、このくらいなのかな、と勝手に思っていましたが、どうやらぼったくられたようです。

しかしその時はA君と一緒に暮らせることに舞い上がり、あまり深く考えていませんでした。

そして、成人式が終ってから荷造りをしました。

引っ越し前日はA君が泊まりに来るので、それまでに終わらせたかったのですが、中々終りませんでした。

引っ越し当日、友人やA君、家族にも手伝ってもらい、なんとか荷造りを終わらせました。

業者に荷物を渡し、お昼頃にA君と私は、猫を連れて新幹線に乗りました。

親や祖母からは、

「遠くてすぐに会えないから、こまめに連絡して、ご飯ちゃんと食べてね」

と心配しながらも、私達のことを見送ってくれました。

人生初めて行く土地、人生初めての同棲に、胸が高鳴りました。

同棲生活

夜にA君の地元に着き、駅に駐めておいたA君の車に乗り、新居へ向かいました。

猫達が新居に早く慣れるよう、トイレなどを早急に置き、寒くないように暖房をつけました。

遅い時間だったので、私とA君も、A君が用意しておいてくれた布団で、その日は眠りにつきました。

A君の地元は、家と田んぼ、時々スーパーとコンビニしかないような、ど田舎でした。

私の地元も、都会にしては何もなかった所なので、あまり不便はないだろうなと思っていました。

しかし、地下鉄というものは無く、通っている電車は1時間に数本しか来ない、ということには驚きました。

それでも歩いて10分から20分の所には、コンビニや駅があり、自転車も持っていたので、すぐに慣れました。

猫達も数週間後には慣れて、A君が仕事へ行っている間、家で私とまったりとしていました。

そして私は暫くして、通勤時間が1時間くらいかかる、少し遠い職場に勤務することが決まりました。

これまでに就いたどの職場よりも働きやすく、人間関係もとても良かったので、通勤時間はそれほど苦にはなりませんでした。

この時私は、この職場で長く働きたい、と思いました。

そして、2人が休みの日は、これまで一緒にいられなかった時間を埋めるように、色々な所に行きました。

職場の人達にも、仲良しな2人を見ていて微笑ましいと言われる程、私達は仲が良く、毎日が幸せでした。

そうして2年ほど、A君の地元で暮らしていました。

A君は、医療関係の仕事をしていましたが、精神的にも体力的にも疲れてしまい、よく辞めたいと言っていました。

なので休みの日に転職活動をしていたのですが、ある日、

「俺、やりたいことを見つけたんだ」

と、A君は医療関係の仕事とは、全く違う職種で働きたいと言いました。

転職活動をしている時に新しい趣味を見つけ、その趣味を仕事にいたい、と思うようになったそうです。

そしてA君は、求人を出しているお店を見つけ、ビデオ通話でオーナーと面談をしました。

「オーナーと話して、本当にそのお店で働きたいと思ったんだ」

とA君、

「ただ、そのお店がこっちにはなくて、、、」

話を聞くと、お店は私の地元にしかないそうで、A君は私の地元に引っ越して働きたいと言いました。

私も実家には帰りたいと思っていたので、特に反対することはありませんでした。

ただ、折角良い職場に巡り会えたのに、辞めなければいけないのか、と残念でした。

そして1つ問題がありました。

あまり良い親子関係ではないA君は、母親にこのことを話に行くと言って、私も一緒に実家へ行くことになりました。

A君とA君の母親は、お互いに興味が無いような感じでした。

母親は、A君の学校、勉強や仕事については放任主義のようなところがありました。

ですが、変に過保護というか、、、私の地元に遊びに行く時も嫌そうな顔をしていたと聞きました。

A君が母親の元を離れることを、相当嫌がっているようでした。

そして、私のこともあまり良くは思っていませんでした。

もちろん私は仲良くできればな、と思っていましたが、残念ながらできませんでした。

そしてそんな母親を、A君も慕う感じではありませんでした。

ですが、たった1人の親なので、A君は猛反対されても説得し続けました。

そして最終的に母親は、

「行きたいなら私を置いて行けばいい、もう連絡もしなくていい」

と縁を切るようなことを言いました。

「自分の息子のやりたいことを応援してくれないならもういい」

A君はそう言い、母親との話し合いを終わらせました。

結局A君と母親は、それから会うことも、連絡をすることもなくなりました。

母親とA君をこのままにして引っ越していいのか…すごくもやもやしていましたが、私にはどうすることも出来ませんでした。

そしてもやもやした気持ちと、仕事を辞めたくない気持ちを抱えたまま、数ヶ月が過ぎました。

以前は失敗しましたが、今回は安くて評価の良い業者に引っ越しを頼むことができました。

業者に荷物を渡し、夜に車で私の地元へ向かいました。

猫達を連れて車で移動するのは心配でしたが、緊張はしているものの、新幹線の時よりは落ち着いていました。

帰省と同棲

下道でゆっくりと私の地元へ向かい、お昼頃に実家へ着きました。

この日から、新しく一緒に暮らす家を見つけるまで、A君も私の実家で暮らすことになりました。

A君の地元で一緒に暮らしていた時と違い、とても忙しくなりました。

私は新しい仕事を探し、A君も働きたい仕事には就けたものの、給料が低いため、掛け持ちのバイトを探していました。

その合間に2人で不動産会社に行き、引っ越し先を探していました。

そんな時、A君の態度を私の親が嫌うようになりました。

元々A君は、私や本当に親しい人以外とはあまり話さず、普段から大人しい感じの人でした。

それでも私の親や祖母は、私に優しくて、挨拶をしっかりしていたA君を気に入っていました。

しかし、私の母が、

「A君、帰ってきた時に何も言わないから、いないと思って部屋に入ったら寝ててびっくりしたよ」

「お婆ちゃんにご飯作ってもらって当たり前だと思ってるのかな、ありがとうって言ったのも聞いたことない」

「無理に作れとは言わないけど、家にいるなら手伝うとか、食材くらい買ってきてくれてもいいのに」

とA君に対しての不満を漏らしました。

私の母が直接A君に言ってしまうと、実家の空気が悪くなってしまいそうだったので、私からA君に話すことにしました。

言葉を選び、A君を傷つけないように、母に言われたことを伝えました。

そしてA君は

「ごめん、次から気をつけるよ」

と言ってくれたのですが、それからも直ることはありませんでした。

そしてA君は、お店が休みの日や出勤が遅い日に、掛け持ちのバイトをするようになりました。

しかしそのバイトは数週間で辞めてしまい、また新しくバイト先を探しました。

ですが、私もA君もバイトは中々見つからず、物件探しも上手くいきませんでした。

Sさんとの出会い

A君が働きたいと言っていた職種は、出会いが沢山あるシーシャカフェでした。

私もA君に会いに、お客としてよくお店に行き、色々な人と話し、男女の友人ができたりもしました。

そこで知り合った男性、Sさんと仲良くなりました。

Sさんは私の2つ年上で、少しイカつくて怖がられるような見た目をしていました。

でも私は、なんだか動物みたいで可愛い人だと思いました。

それからA君と私は、SNSでもお店でも、Sさんとよく話をするようになりました。

そして、何回かお店で会った時に、A君と私、お店の常連さん達とで、一緒にカラオケに行くことになりました。

皆でお酒を飲みながら歌っていましたが、A君は酔って寝てしまい、Sさん以外の人達も帰ってしまいました。

私とSさんだけが残り、A君を置いて帰るわけにはいかなかったので、起きるまで2人で歌っていました。

そのときくらいから、A君も私も、よくSさんの家に遊びに行くようになりました。

Sさんの住んでいるアパートは、A君の職場から近いので、A君の仕事が終わるまで待たせてもらうこともありました。

Sさんと2人になっても、特に気まずいということはありませんでした。

なので私は、よく家族のことや、A君とのことを相談していました。

私はある日、金銭的に厳しいため、キャバクラで働こうと思っていることをSさんに話しました。

Sさんには、夜のお仕事をしている知人がいて、お勧めはしないけど紹介はできると言われました。

悩んでいた私は、母にそのことを相談しました。

するとある日、親から話があると、A君と私は呼ばれました。

「A君、この子がキャバクラで働くことを考えているのは知ってる?」

と父、私はもちろんA君にも相談はしていて、あまりいい顔はしませんでしたが、反対はされていませんでした。

そのことを父は知らなかったのですが、

「好きな相手にそこまで苦労させて、今やってることはそんなにやりたいことなのか?」

珍しく父は怒っていました。

A君は、どうしてもやりたいことであることを説明し、私や家族に迷惑をかけていることに対して謝罪しました。

「キャバクラで働くことは認めない。A君がこのままなら引っ越しをするこも認めない」

と両親は言いました。

そして、私1人であれば、家族である親や祖母が支援をするのは当たり前であることを説明されました。

父は、これまでのA君の態度も指摘し、2人で引っ越すなら最低でもA君が50万円を貯める、という条件を出しました。

いわゆる、チャンスを与えた、ということになるのでしょうか。

家族や私は、これでA君が変わってくれることを願っていました。

あやまちと苦悩

家族会議をしてから数週間、初めのうちはA君も頑張っていました。

ですが、何も変わらないA君に不満は募っていき、私は徐々にA君のことを好きではなくなってきていました。

それでもこれまで通り接し、A君と私はよくSさんの家に泊まるようになりました。

家族とA君の板挟みになり、不眠症になっていた私は、何故かSさんの家ではぐっすり眠れました。

A君は私のこともSさんのことも信用していたので、A君が掛け持ちのバイトでいない時も、泊まることを許可されていました。

ある日、Sさんは、A君が泊まりに来た時の態度が気になると言ってきました。

勝手にドライヤーを使ったり、話を振っても会話を続けず、ずっとスマホを見ていたりと、他にも気になる部分はあったそうですが、

「人の家に泊まりにきて、話もしないでずっとスマホ触ってるのはどうかと思うよ」

とSさんに言われました。

私も気づいていたので、A君には帰ったあとに注意はしていたのですが、案の定、直ることはありませんでした。

いつしか、SさんもA君のことを嫌ってしまい、A君もSさんのことをよく思わなくなっていました。

ある日、Sさんの家で、A君の仕事が終わるのを待っていました。

その日は好きなアーティストさんや、曲の話をして盛り上がりました。

A君の仕事が終り、一緒に帰宅して、Sさんと話したことや勧められた曲の話をしました。

するとA君は、

「俺の勧めた曲は聴かないのに、Sさんの勧めた曲は聴くんだね」

と嫌味のようなことを言いました。

確かに私は、A君が勧めてくれた曲を聴くことは滅多にありませんでした。

何故なら、Sさんは勧めた曲のどこが良いのか、自分はどこが好きなのかを分かりやすく、聴きたくなるように説明してくれますが、

「俺、この曲好きなんだ。聴いてみて」

とだけしか言わないA君の言葉では、その曲の良さが分からなかったのです。

それでも、聴いてみて気に入った曲も、アーティストさんもいて、その話で盛り上がったこともあります。

そのことを説明しましたが、A君はこの日、不機嫌なままでした。

こういったことが続き、ますますA君が恋人だということが、嫌になっていきました。

実家に引っ越してきてからは、家族がいる家でセックスをするのが嫌で、A君とはそういった行為をしなくなっていました。

その頃から、求めてくるA君のことをなぜか気持ち悪いと思ってしまい、セックス自体をしたいとは思わなくなっていました。

A君自体を嫌いになったわけではないのですが、一緒にいることに息が詰まり、頻繁にSさんの家に泊まりに行くようになりました。

この時、Sさんとはなんでも話せるような親友になっていました。

ですがある日、いつものようにSさんの家に遊びに行ったのですが、気づいたらSさんとセックスをしていました。

これまでしてきたものとは違い、何故だかとても気持ちよかったのです。

今まで通りの会話や態度に加え、体を重ねることが度々あり、私はSさんのことしか考えられなくなっていました。

そして私は、A君との関係をあやふやにしたまま、Sさんのことを好きなんだ、ということに気づいてしまいました。

しかし、私もSさんもお互いに好きとは言わず、キスもせず、ただ仲の良いセフレのような関係でした。

A君と別れた方が良いのか沢山悩み、Sさんにだけではなく、親にも相談をしていました。

しかし、家族会議でチャンスを与えてから、それほど時間は経っていませんでした。

それに、長く付き合ってきたからなのか、中々きっぱりと突き放すことができずにいました。

決断

そんなある日、実家でA君と夕食を食べている時、私の祖母が、

「明日、A君はお休み?家にいるの?」

と聞いてきました。

いつも祖母がご飯を作ってくれていたので、次の日誰が家にいて、いつご飯を作ればいいのか聞いただけなのですが、

「どうせお婆ちゃんは俺がちゃんと仕事してないって言いたいんだろ」

と、A君は祖母が自分の部屋へ戻ったあと、私に言ってきました。

私は、一言もそんなこと言っていないのに、勝手に思い込んでそういう嫌味を言うのはどうなのか、とA君に言いました。

するとA君は、

「この家にいても落ち着かない」

と、溜息混じりに言葉を漏らしました。

私はこれまで、何故この人にあんなに気を使っていたのか、分からなくなりました。

家賃や光熱費も払わず、休みの日も職場であるお店に遊びに行って、自由にしていたA君に、

「住まわせてもらってお世話になってるのに、この家にいても落ち着かないなんて言うなら、今すぐ出ていって!」

と私は怒りをぶつけ、その日の夜は、実家から出ていってもらいました。

私は、A君に対するイラつきや悲しみ、悔しさに涙を流し、落ち着くことが出来ませんでした。

その日、親は仕事で家を空けていたため、Sさんに話を聞いてもらいたくて、連絡をしました。

泣いて友達の家に行ってくると言った私を、祖母は心配そうに見送ってくれました。

Sさんに、A君に言われたこと、私が言ったこと、思ったことを話しました。

全てを話して、聞いてもらって、私はやっとA君と別れることを決めました。

7年、付き合って同棲もして、結婚の話も出ていましたが、もう戻ることは出来ないと思いました。

後日、親にも全てを話し、A君とは別れると、伝えました。

「別れたらすぐに荷物まとめて、この家から出てもらって。ちゃんと駐車場も解約してもらってね」

母にそう言われ、A君は新しい家も無く、自分の母親とは疎遠で、少し可哀想だと思いました。

しかし、それはA君自身が招いた結果であり、他人である私や、私の家族には関係ないことだと振り切りました。

そして私は、A君と別れたあと一人暮らしをするために、A君には秘密で、仕事終わりに物件を探すことになりました。

別れと新居

A君が仕事から帰ってきて、話があると言って座らせました。

「色々悩んだ結果、もうA君とは一緒にいられない」

A君は静かに泣いて、

「別れたくない」

と一言。ですがこれまでのA君の態度や、家族からの不満、私のA君に対する気持ちを全て話しました。

嫌いになったわけではないから、友人としてこれからは仲良くしたい、と私は言いました。

A君は、

「友人としてっていうのは、しばらくは難しいけど、わかったよ」

と、1時間程話し合い、別れることや、荷物をまとめてすぐに出ていくことなどを理解してくれました。

11月頃で、外は寒く暗かったので、荷物は次の日まとめて、家を出ていくと約束をし、その日は最後に同じ布団で眠りました。

そして後日、A君は私と別れたことや、これから住む場所がないことを、仲の良いお店のオーナーに話しました。

オーナーは、以前自分が住んでいたアパート、1Kの部屋を、Sさんに貸していることをA君に話しました。

その部屋で、Sさんとルームシェアをすれば良いと言っていたそうです。

Sさんから、オーナーに借りている部屋だということは、私もA君も聞いていたので知っていました。

なんでも、オーナーが退去時の料金を払いたくないので、誰かに住んでいてほしかったそうです。

そしてその時に、仲の良かった常連のSさんに、オーナーの借りている部屋に住んでほしいと頼んだそうです。

しかしSさんは、この時期流行っていたコロナによって生活が厳しく、Sさんの地元へ帰ろうとしていたのですが、

「住んでほしいってこっちから頼んでるし、家賃は払えるようになってからでいいよ」

とオーナーは半ば無理やり引き止め、Sさんはオーナーの借りている部屋に住むことになったのです。

ですが、A君と私のことを知ったオーナーは、Sさんが家賃を滞納していることを、常連客や知人に言いふらすようになりました。

そして、A君がオーナーの借りている部屋に住むと決まってから、オーナーの今までの態度が驚く程変わりました。

Sさんとオーナーは、A君と私が引っ越してくる前から仲が良かったそうです。

お店が忙しく手が回らない時には、オーナーがSさんを呼び、無償で手伝うことも何度かあったそうです。

友人に頼まれたことで、無償で働くことに対しては、特に文句は言ってなかったそうなのですが、

「今思うとおかしいよなあ、、、」

とSさんは言いました。これまでとは別人のように嫌味や陰口を言うオーナーに呆れていました。

A君と別れて、オーナーとの一悶着もあり、私とSさんはお店に行かなくなりました。

そしてA君は、私と別れたことを知る人達に、追い出されたせいで今住む所を探している、と言っていたそうです。

『追い出された』

という言葉に、周りの人達は、私が悪くてA君は可哀想、と勝手に思い込んでいました。

それを知った私は、A君に不信感を覚え、心底嫌いになりました。

そんな時、仕事終わりに内見した物件の条件が良く、その日に契約をしました。

入居が出来るようになるまで1ヶ月程ですが、引っ越しの準備を始めました。

そしてSさんとA君の同居も始まり、Sさんは疲れきった様子でした。

「来月からだけど、猫2匹いてもいいなら、借りたアパートにしばらくいてもいいよ」

と、私はSさんにメッセージで伝えました。

A君と別れてからも、Sさんと恋人になることはなく、親友として接していました。

ですが、A君と私の問題に巻き込んでしまった上に、オーナーからも悪く言われるようになったSさんに、とても申し訳なく思っていました。

今まで沢山お世話になってきたので、少しでも役に立ちたいと思い、私との同居を提案しました。

Sさんは、申し訳無さそうにしていましたが、すぐに私と暮らすことを選びました。

オーナーやA君、他の人達にも、私とSさんが同居をすることは一切言わず、入居が可能になった日に、静かに引っ越しました。

そして、とりあえずすぐに必要な物だけを持って、Sさんと新居に行きました。

寒い時期なのに、荷物が多くて少し暑かったのを覚えています。

収入の少ないSさんと暮らすことは、親にも秘密にしていました。

私は、このまま恋人として居てくれたら、と思う気持ちを殺し、

「俺が安定するまで、迷惑かけちゃうけどよろしくね」

とSさんの言葉に頷きました。

そうして、Sさんとの新しい生活が始まりました。

Sさんとの暮らし

周りには、私は一人暮らしで、Sさんは友人の家に居候していることにしていました。

親にも嘘をつくことになり、心苦しく思っていました。

ですが、また心配をかけたくないので、Sさんが安定するまでは黙っていようと決めました。

Sさんは、必死に就職活動をしながら家のこともしてくれました。

私のために弁当を作ってくれて、私が休みの日も、3食用意してくれるようになりました。

そして、掃除機や洗濯も積極的にしてくれていました。

少し雑な所もありますが、そこは私と似ていて面白いと、よく2人で笑いました。

生活は厳しいですが、一緒に暮らすようになり、私はSさんのことをより一層好きになりました。

同じベッドで眠り、体を重ね、Sさんも少しは私のことを好きなのだろうか、と思い始めていました。

そんな時、Sさんのバイト先が決まりました。

バイト先はバーで、Sさんは夜から早朝まで仕事をすることになりました。

私がお仕事の日は、夕方まで会えないこともありました。

私は、寂しさと心配の気持ちを抱えつつ、頑張っているSさんを応援していました。

お酒を飲む仕事なので、体の心配をしながらも数ヶ月続け、春になり暖かい時期になりました。

お休みの日の昼間に、2人で近くの公園へお花見に行きました。

出店を回り、お酒を飲みながら桜を眺め、楽しくお話をしました。

どちらかが告白をした、という記憶はありませんが、この日から私達は恋人同士になりました。

現在

あれから数ヶ月後、Sさんはバーを辞め、工場に勤務することが決まりました。

A君と別れて丁度1年程でした。

Sさんとの関係を親や友人に打ち明け、もう隠し事をしなくなりました。

Sさんは、人見知りだと自分では言っていますが、私の親や祖母、叔母とも上手くやっています。

まだ生活に余裕があるわけではありませんし、Sさんが本当に私を好きなのか、不安になることもあります。

それに、A君との7年間を後悔することもあります。

ですが、あの時期が無ければ、Sさんとは知り合えていなかったので、全てこれで良かったと思っています。

そしてA君と別れたことや、Sさんとセフレのような関係になってしまったことは、全く後悔していません。

私は今、大好きな猫達とSさん、家族皆のおかげで、とても幸せです。

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