この記事を書いた人
現在の年齢:27歳
当時の年齢:21歳
ゆうたとの出会い
ゆうたとの出会いは、国立大学の3年生の時でした。
私は、臨床検査技師を目指しており、その勉強ができる学部に所属していました。
ゆうたとも同じ学部でしたが、1.2年生の時は関わりがなく、3先生になって初めて関わるようになりました。
3年生になって初めて始まった授業があり、その授業で隣に座っていたのがゆうたでした。
授業の始めのほうは、教授の一方的な講義でした。
授業が進むにつれ、周りの席の人たちとグループディスカッションすることが多くなり、そこからゆうたと話すようになりました。
ゆうたは、3人兄弟の末っ子ということもありとても懐っこい性格でした。
成績こそあまりよくないものの、コミュニケーション能力が高く、教授やクラスメイトにもとても好かれていました。
普段は、懐っこい性格にも関わらず、授業になると真面目になる姿にいつしか惹かれるようになりました。
ゆうたは、その授業になると毎回私に話しかけてくれました。
しかし、懐っこい性格がゆえ、いろいろな女性に話しかけていました。
ゆうたのことをいいなと思う反面、クラスメイトの1人としてしか見られてないんだろうなという諦めの気持ちがありました。
そんなこんなで授業や課題に追われる日々が半年間続き、前期の授業が終了しました。
私の大学では、前期・後期で分かれており、学期末に試験が行われる仕組みでした。
学期末の試験を突破すると、その授業の単位をもらうことができ、また後期から新しい授業が始まります。
私は、無事試験を突破し、その授業の単位を得ることができました。
この授業が終わったら、もうゆうたとこのように話すこともないのかなと考えると少し切ない気持ちになりました。
最後の授業でゆうたにお礼をしました。
「ゆうたのおかげで、授業楽しかったわ、ありがとう。」
「えっほんと、俺もよかったら連絡先教えて!」
と言われ、そのとき初めてゆうたと連絡先を交換しました。
はじめてのデート
大学の授業が終わり夏休みになり、バイトで忙しい毎日を送っていると、ゆうたから1通の連絡が届きました。
「久しぶり、元気?」
「よかったら、俺とデートしてください。」
そんな真っ直ぐな連絡がゆうたから届き、ふふっと笑ってしまいました。
「いいよ、行きましょう〜。」
と私が連絡を返すと、トントン拍子に話が進み、その連絡がきた1週間後にはじめてのデートに行くことになりました。
デートと言っても、どこに行くかは決まっていない状態で当日を迎えました。
当日、待ち合わせ場所にいると、待ち合わせより少し早くゆうたは到着していました。
どこに行こうかと私が尋ねました。
「今日は、お互いのことをよく知りたいから、カフェに行ってお話ししよう!」
とゆうたが言ってくれ、近くのカフェに入ることにしました。
カフェの席に座り、冷たい珈琲を注文すると、お互いに様々なことを話しました。
ゆうたは、鹿児島県出身で地元が田舎だった、東京に憧れてた、という話をしてくれました。
私も静岡県出身だったので、ゆうたの気持ちはよくわかり共感しました。
臨床検査技師という仕事に就きたい理由も、給料が良いためと言っており、とても素直な人だなと思いました。
話が盛り上がり、ゆうたとの時間がとても心地よく感じられました。
学校では知れなかったゆうたを知ることができた気がしました。
いろいろ話して、カフェを出るとゆうたが映画でもと誘ってきてくれました。
近くに映画館もあるところだったので、そこの映画館に入りました。
ゆうたがオススメしてくれた、洋画を見ました。
いつもは洋画は見ないのですが、このとき見た洋画はとても面白かったです。
映画を見終わると、時刻は午後7時でした。
その日は、夕ご飯を食べることなく解散しました。
大学生になって、カフェと映画デートなんてピュアな感じだなぁと思いました。
またゆうたと会いたいなと思いながら、ゆうたへの思いは募っていきました。
花火デート*ゆうたからの告白
はじめてのデート以来、何度か連絡を取り合い、たわいもないやりとりをしていました。
そのなかで、ふと、花火大会に行きたいねという話になりました。
しかし、このときは8月の中旬で、すでにほとんどの花火大会が終わってしまった時期でした。
それでもどうしても花火大会に行きたいというゆうたは、一生懸命この時期にやっている花火大会を探してくれました。
そして、やっとひとつだけこれから始まる花火大会を見つけ出すことができました。
その花火大会は、この連絡を取り合っていた3日後にあるようでした。
少し遠い場所にあり、電車で1時間かかり、そこから数分歩くところで開催されるとのことでした。
3日後の花火大会を約束し、またゆうたに会えることを私は楽しみにしていました。
当日は、男性が喜んでくれそうな浴衣を着て、ウキウキしながら現地に向かいました。
ゆうたも浴衣姿で着てくれました。
ゆうたは、私の浴衣姿を見てとても喜んでくれました。
出店で物を買い、ピクニックシートを敷いて花火を鑑賞しました。
とても夏らしいことができて嬉しい気持ちでした。
花火を見ながらもいろいろなことを話しました。
時にはお腹を抱えて笑ってしまうような話もしました。
一通り花火を見終わり、混雑してしまう前に帰宅しようという話になりました。
電車の中は、とても混雑していました。
「花火大会すごく楽しかった、諦めずに探してくれてありがとうね。」
とゆうたに言うと、優しく微笑み、「また行こうね」と言ってくれました。
無事私の地元に到着し、家に帰ろうとすると、もう少し一緒にいようとゆうたが言いました。
それを承諾し、ぶらぶらしながらたわいもないことを話していました。
たわいもない話をしているとゆうたが真剣な顔で、私に向かってこう言いました。
「一緒にいると楽しいね。」
「急に真剣な顔してどうしたの、でも一緒にいると楽しいって私もそう思うよ。」
「授業で隣の席になってから、好きだったんだよ、付き合ってください。」
「私も好きだよ、付き合おう。」
ゆうたの告白にOKするのに、時間はかかりませんでした。
この時には、私もゆうたのことがとても好きになっていたからです。
皆んなから好かれているゆうたと付き合えるなんて夢のようでした。
この日からゆうたとのお付き合いが始まりました。
ゆうたとのお付き合い
その後の残りの夏休みは、お互い実家に帰りました。
連絡はちょこちょこ取っていました。
あっという間に夏休みが終わり、後期の授業が始まりました。
3年生の後期は、臨床検査技師の実習があり授業も忙しいことが予想されていました。
ゆうたとなかなか授業が被らずでしたが、一緒にお昼ご飯を食べたり、一緒に帰ったりして共に時間を過ごしました。
互いにひとり暮らしをしていたので、互いの家を行き来することもありました。
ゆうたとの時間は楽しいと思う一方で、ゆうたの言動がだんだんと気になるようになりました。
ゆうたは、男女混合のハンドボールサークルにはいっており、カラオケ屋さんでバイトもしていました。
授業も忙しかったので、忙しい毎日を送っていました。
サークルやバイトの飲み会が頻回にありました。
付き合って2、3ヶ月した頃には、私と会う時間を削っても飲み会に参加していました。
もっと私との時間を優先して欲しいと思っていても、付き合いたてだった為、ゆうたには言えずにいました。
学校でたまたま会ったときも、女性と一緒にいるところを多く見受けました。
もともと、誰とでも仲良いことはわかっていたはずなのに、付き合っていくうちにそこを悪く思うようになりました。
実習で忙しくなり、会う時間を作るのが難しくなった為、私の家で一緒に暮らすようになりました。
一緒に暮らすようになっても、週末になってしまうと飲みに行き、朝まで帰ってこない日々が続きました。
私も授業や実習で忙しく、そんなゆうたの態度にイライラしてしまうようになりました。
このままだと関係が悪くなってしまうと思い、ゆうたに思いの丈を伝えることにしました。
「不安になってしまうから、飲み会にはあまり行かないでほしい。」
そうゆうたに伝えると、ゆうたはわかったと言いました。
少し険悪な雰囲気になってしまいました。
「俺ももう飲み会には行かないから、君も行かないで。」
ゆうたは、真面目な顔でそう言いました。
私は、もともと飲み会自体そんなに行かなかったし、行ったとしても朝帰りすることは一切ありませんでした。
それなのに私も飲み会には行っては行けないんだ…と、納得できない部分はありました。
しかし、これ以上ゆうたに飲み会に行ってほしくなかったので、ゆうたの言うことを承諾しました。
この判断が私たちにとって間違いでした。
束縛しあう関係
授業や実習以外は、私の家でずっと一緒にいる日々。
次第に、互いに異性とは必要最低限以外話さない日々になりました。
時には、互いのケータイをチェックし合い、束縛し合う関係になってしまいました。
いろいろな友達と仲が良いゆうたにとっては、とても窮屈だったと思います。
私は、そんなゆうたの気持ちを理解しようとしませんでした。
こんな窮屈な関係でも、ゆうたを独り占めできると私にとっては、幸せだと思っていました。
気づくと、授業と実習で忙しい日々は終わりました。
私もゆうたも、実習先で行った病院に就職できることが決まりました。
時間に余裕ができたからか、ゆうたと束縛し合う日々は続いたものの、平和な時間を過ごすことができました。
4年生の前期はほとんど授業がなく、就職先が決まった私にとっては時間がたくさんありました。
しばらく忙しくて時間がなかったこともあり、1ヶ月間実家の静岡県に帰ることにしました。
ゆうたには、自分の家に帰ってもらいました。
1ヶ月ゆうたと離れるのは、不安もありつつ、互いのためにはいいのかなと思いながら私は実家に帰りました。
そこからは、実家で悠々自適な日々を過ごしました。
ゆうたからは、あまり連絡はありませんでしたが、気にしないことにして過ごしていました。
浮気発覚〜現在
実家に帰省して2週間が経った頃、同じ学部の友人から連絡が届きました。
「こないだのハンドボールサークルの飲み会で、ゆうたくん後輩の女の子にキスしてたよ!」
添付されていた写真を見ると、後輩の女の子にキスをしているゆうたの姿が写っていました。
気持ちがザワザワしたのも束の間、ゆうたからも謝罪の連絡が届きました。
「さっきの写真、酔っ払っていて記憶がなくて、本当にごめんなさい。」
とても悲しい気持ちになりましたが、その時はまだゆうたと離れたくないという気持ちが強くありました。
「いいよ。もう同じ過ちは繰り返さないでね。」
そうやりとりをして、この日は終わりました。
私もゆうたを束縛しすぎてしまったかなと反省しました。
謝罪の連絡以来、ゆうたからの連絡はなく、あっという間に1ヶ月が経ちました。
久しぶりに家に帰り、久しぶりにゆうたにも会いました。
こないだの一件を謝ってくれ、私もゆうたとの仲をやり直したいと思っていました。
しかし、その私の姿をゆうたがどう思ったのか、ゆうたは私との仲があまりよくないと周りに言いふらしていたのです。
そのことを何度もゆうたに問い詰めても、ゆうたは私の勘違いだと取り合ってくれませんでした。
この頃から、私とゆうたの関係はより悪化する一方でした。
互いに行くのをやめようと約束した飲み会にも、ゆうたは頻繁に参加するようになってしまいました。
飲み会に行かないでと言っても喧嘩になるだけで、何一つ解決にはなりませんでした。
私に対するゆうたの態度もだんだんとよそよそしくなっていきました。
連絡もほとんど取らなくなり、久しぶりに会ってもすぐ解散するようになりました。
私は、ゆうたのことが好きだけどもう潮時かなと考えているときに、ゆうたの浮気が発覚しました。
久しぶりにゆうたの家に行くと、いつもとは違う感じがしました。
女の勘が働き、ゆうたが気づかない間にゆうたのケータイを見ました。
お互いの暗証番号は、知っていました。
そこには、バイト先の後輩とのLINEが残されていました。
「また俺の家に遊びにきてね」という文面が目に入り、目の前が真っ暗になりました。
私とはもう別れるかもという内容もありました。
私は、ゆうたにケータイを見てしまった、もう別れようと言いました。
ゆうたは、私の想像以上に取り乱し、泣きながら別れたくないと言ってきました。
私も、もう限界だと言いながらたくさん泣いてしまいました。
嫌なことをされても浮気をされても、ゆうたのことが好きでした。
そこから、互いに泣きながら話し合いました。
ゆうたは、ケータイに入っていた女性の連絡先を全部消し、SNSも全部辞めてくれました。
もう私が嫌がる飲み会も行かないし、バイトも辞めるという話合いをし、これからも付き合い続けることになりました。
そこから、ゆうたが浮気することはなくなりました。
互いに就職し、忙しくなりなかなか会えないこともありますが、なんとかうまくやっていっています。
今は、そんな誠実なゆうたを信じようと思います。
結婚するかどうかはまだ考えられないけど、これからもずっと一緒にいれたらいいなと思っています。