この記事を書いた人

現在の年齢:35歳
当時の年齢:30歳
出会い
私の元夫は「和也(仮名)」といいます。
和也と出会ったのは、就職した会社で同じ部署だったのが出会いでした。
和也は私がつとめた部署の後輩として入ってきました。
私は短大を卒業し、会社に入り5年が立とうとしていたとき、新人として入ってきた和也。
大学を卒業し、なにもわからない和也に指導係として私がいろいろなことを教えていました。
返事はいいものの、なかなか仕事がスムーズに行かず、上司からは怒られることの多い和也に、一緒に残業をしながら教えることもとても多かったです。
上司から怒られてへこんでいる和也を慰め、励まし、一緒に仕事していて1年。
1年も経つと、だいぶ怒られることも減り、和也にも後輩が出来、少し頼もしくなってきました。
和也が就職してから2年目の3月。
送別会の幹事を私と和也が任されました。
定年退職の部長の送別会で、会場や会費など二人で集まり考えることが多くなりました。
一緒に仕事をするのは1年ぶりでした。
少し頼もしくなった和也は送別会の場所取りや司会進行などいろいろとやってくれました。
送別会は大成功で無事終了。
二人きりの食事
二人で幹事の打ち上げと言うことで、ご飯を食べに行くことにしました。
和也が1年目の時も残業を一緒にすることはありましたが、食事をするのは、今回が初めてでした。
仕事以外の場所で二人で会うのは少しドキドキしました。
職場では先輩と後輩ですが、食事ではそんなことなく、たわいのない話をして過ごしました。
その帰り道でした。
突然、和也から
「りえ先輩!俺、りえ先輩のこと好きなんです。付き合ってもらえませんか?」
と、告白されました。
同じ職場の後輩だし、少し迷いましたが、付き合うことにしました。
始まった付き合い
職場では、いつも通りに先輩と後輩として仕事のみの話をしていたので、すぐに職場の人に知られることはありませんでした。
仕事の後にご飯に行ったり、休みの日にデートをしたりしながら付き合いが進んでいきました。
付き合って1年
仕事中は、それぞれの仕事をきちんとこなしていました。
そのせいか、職場内で付き合っていることを知られることなく、1年がたちました。
お互いの親にも紹介をし、親公認の付き合いにもなりました。
お互いの親はお互いのことをよく思ってくれ、付き合いを応援してくれました。
付き合って1年半
付き合って1年半がたったとき、私の誕生日がありました。
レストランを予約してくれた和也。
仕事の後にレストランで一緒に食事をしました。
少しおしゃれなレストランだったので、緊張しながらもおいしいご飯を堪能していました。
すると、突然スタッフの方がケーキと花束をもってきてくれたのです。
そして、和也から
「俺と結婚してください。」
と突然プロポーズされたのです。
レストランで誕生日のプロポーズなんて、最高でした。
答えはもちろん
「お願いします!!」
両家の顔合わせ
その後、お互いの実家に改めて結婚の挨拶に行きました。
お互いの両親とも、とても喜んで歓迎してくれました。
両家そろっての食事会も行い、顔合わせもしました。
顔合わせでは、とてもいい雰囲気で、親同士意気投合していました。
仲良く話ができていることに、私も和也も安心しました。
両親の意見も聞きながら、結婚の日取り、結婚式の日取りや場所を決めていくことになりました。
両家の両親とも
「二人で決めなさい」
と言ってくれましたが、仕事の都合なども配慮しながら考えていくことにしました。
親とも相談をしながら、結婚式と入籍の日は1年後にすることにしました。
同棲スタート
結婚の日が決まり、結婚式の準備もあるし、同棲をスタートさせようという話になりました。
物件は、新しいものを探すことも考えましたが、ひとまず和也が住んでいる部屋に一緒に住むことにしました。
私は今住んでいる部屋の解約などを済ませ、1ヶ月後、和也の部屋に引っ越しをしました。
職場に報告
同棲と同時に職場にも報告をすることにしました。
職場の人は、誰ひとり気づいていなかったので、とても驚かれましたが、みんな祝福してくれました。
結婚するという報告の後、会社の計らいも有り、私は隣の課に異動になりました。
隣の課と言っても今まで一緒に仕事をしてきた人が多くいたため、とても働きやすい環境でした。
結婚式会場探し
私たちの住んでいる近くには、たくさんの結婚式場がありました。
和也はプロポーズの後、すぐに結婚式情報誌を買ってきてくれました。
二人で情報誌を見ながら、付箋をつけ、気になる式場を探していきました。
和也は仕事の合間にその式場に連絡をし、見学の日取りを予約をしてくれました。
5カ所くらいの結婚式場を見に行きました。
その中で、プランナーさんが一番よかった式場に決めることにしました。
結婚式準備
結婚式の準備はとてもやることが多かったです。
名簿を作ったり、ドレスも選ばないといけない、プログラムの準備、二次会の打ち合わせなどなど・・・
でも、和也が仕事の合間にいろいろなことをやってくれたので、全然苦ではありませんでした。
私のドレス選びも和也は一緒についてきてくれ、写真を撮ったりして付き合ってくれました。
時には私の母がついてきて、見てくれることもありました。
和也の親も見たいと言ってくれ、一緒についてきてくれることもありました。
そして、あっという間に1年が経ち、結婚式の日がやってきたのです。
結婚式の当日
結婚式当日は、早朝から大忙しでした。
式の数時間前に会場に入り、メイクなどをします。
私がメイクや着付けをしている間に和也はきてくれた親族の対応もしてくれました。
初めて会う私の親族にもきちんと挨拶をしてくれ、対応してくれる和也がとても頼もしく感じていました。
結婚式は、プランナーさんのおかげもあり、とてもいい式になりました。
結婚式が私の誕生日と言うこともあり、和也がプランナーさんと相談したサプライズもありました。
この人と結婚できてよかった。
本当にそう思った瞬間でした。
入籍も同じ日にしたため、この日から晴れて夫婦となりました。
夫婦の生活
夫婦としての生活は順調でした。
出勤の時間は同じなので、朝早く起きた方が朝食準備をします。
もう一人は、洗濯をしたり、ゴミ出しをしたり、役割を訳ながら家事をし、仕事に行っていました。
帰ってきてからも、早く帰ってきた方が食事を作るなどしていたので、家事の負担もありませんでした。
どちらかが残業で遅くなる日もありましたが、夫婦で食事がとれる日は二人で食事をする。
それを大切にしていました。
結婚して5年・・・
結婚して5年が経ちました。
仲いい関係のまま5年が過ぎていました。
夜の生活が全くないわけではありませんでした。
週に1回はありました。
でも、なかなか子どもには恵まれなかったのです。
お互いの両親も気をつかってか、そのことについては何も言いませんでした。
私たちも最初は子どもが欲しいと思っていました。
3年がたったあたりから、子どもがいなくても二人で休日を楽しめていたし、子どもの話もしなくなりました。
二人で楽しく仲良く過ごせたらそれでいい。
そう思っていました。
和也が異動
和也に異動命令が出ました。
勤務地は隣町でした。
初めての異動と言うこともあり、ぐったりと疲れて帰宅する日々が続きました。
それでも、家事などはできるだけやろうと頑張ってくれましたが、残業も増えていきました。
異動して、半年が経った頃。
突然出張が増えたのです。
もともと出張は年に1回くらいある仕事でした。
しかし、少し回数が増えてように思っていました。
それでも私は疑うことなく
「出張大変だね。頑張ってね」
と準備を手伝い、見送っていました。
同期の友だちとの食事
久しぶりに職場の同期の友だちに食事に誘われました。
和也も出張中だし、ちょうどいいかなと食事に出かけました。
同期との久々の再会はとても盛り上がりました。
数年一緒に仕事をしていたものの、その後、友だちが異動をしてしまい、
なかなか会うことが難しくなってしまったので、結婚式ぶりくらいでした。
「結婚生活はどう?ごめんね。旦那がいるのに、誘っちゃって!」
「いやいや!私も会いたかったから嬉しかったよ!
それに、今日は出張だから大丈夫!」
そう私が応えると、一瞬友だちの表情が曇りました。
「旦那さんさ、結構出張あるの?」
と聞かれたので、
「前は年に1回くらいだったけど、異動して少し落ち着いてからは数ヶ月に一回はあるかな~」
と応えると、友だちはものすごい複雑な表情をしました。
衝撃の告白
「いや~どうしよう」
と友だちはつぶやきました。
「どうしたの?」
と聞くと、
「聞いても、ショックを受けないでね。」
と前置きをして、友だちは話し始めました。
「私、今、旦那さんと同じ会社にいるの。部署は違うんだけど、一昨年異動になってさ。あのね、旦那さんの部署、そんなに頻繁な出張はないと思うよ。一度きちんと確認してみた方がいいと思う。」
と教えてくれました。
私は血の気が引いて、頭が真っ白になりました。
「こんなこと話してごめんね。大丈夫?」
と心配してくれました。
「大丈夫だよ。
言いにくいこと教えてくれてありがとう。
ちょっと確かめてみるね。」
と応え、その日は、久々に会ったので、その他のことも話して、別れました。
家までの帰り道も、頭の中は友だちが言ったことでいっぱいでした。
出張って、嘘なのかな?
その日は、眠れずに夜を過ごしました。
出張から帰ってきた和也
そして、次の日、お昼過ぎに普通に和也は帰ってきました。
「ただいま~!いやー今回の出張は、大変だったよ」
と出張先のお土産を渡しながら、話し始めたのです。
「どんな仕事だったの?」
と聞くと、
「こないだ契約を取ったところの接待と早朝ゴルフだよ~。ほんとはりえと休みの日はゆっくり過ごしたいのにさ。出張が多くて困るよな。」
と和也は普通に応えたのです。
「疲れたからちょっとゆっくりお風呂に入ってくるね」
と風呂場に行きました。
見てはいけないもの
着替えを出しに行きながら脱衣所に行くと、そこにはスマホが・・・
ダメだよな。
と思ったのですが、つい手が伸びてしまいました。
そのとき中から
「りえ?そこにいるの?」
と声が聞こえてきました。
ドキッとしましたが、必死に冷静を装って
「着替えの準備だよ。出張の洗濯もしないといけないし」
と応えました。
「そうか、いつもありがとな」
と疑うことのない和也にほっとしました。
「疲れているだろうから、ゆっくりお風呂に入ってね」
と声をかけ、風呂場の音に耳を澄ませながら、スマホをチェックしました。
スマホの中身は・・・
メールは怪しいところはありません。
着信履歴も怪しいところはありません。
LINEも怪しいところはありません。
私が考えすぎてただけかな。
とちょっと安心しました。
でも、ふと思い出したのです。
前に幼なじみが彼氏の浮気を見つけたときの話を・・・
それは、LINEの非表示リストというところに隠してあったというものでした。
そんなはずはないよね。
そう思いながらLINEの非表示リストを押してみました。
すると、ミサキという名前が出てきたのです。
おそるおそる押すと、そこにはさっきまで会っていたと思わせるような文面が並んでいました。
固まっていると、風呂場からそろそろ上がりそうな音が・・・
慌ててスマホを元に戻し、その場を離れました。
すごい上機嫌な和也に私はモヤモヤした気持ちでした。
同期の友だちへの連絡
どうしようかと思いましたが、相談できる相手はひとりしか思いつきませんでした。
出張のことを教えてくれた友だちに連絡をしたのです。
「旦那が浮気しているかも。」
とLINEで連絡すると、すぐに
「私も連絡しようかと思っていたの。りえは、大丈夫?」
と返信が来ました。
「全部のやりとりは見てないけど、週末は女と一緒に過ごしていたのは間違いなさそう」
と伝えると、
「りえはどうしたい?浮気の証拠を見つけたいなら、協力するよ。りえの気持ちを尊重する。」
と言ってくれました。
私は考えましたが、浮気が本当ならこのままの生活は嫌だと思ったので、協力してもらうことにしました。
次の出張
そして数週間が経ったとき、また
「りえ、来週、出張が入ったから」
と和也が言ってきたのです。
すぐに友だちに連絡をしました。
「そんな出張ないよ!」
と、すぐに教えてくれました。
作戦会議
その日から出張の日まで友だちとどうやって証拠をつかむかの打ち合わせが始まりました。
探偵を雇うかのも悩みました。
私が離れたところから尾行するか。
何がいいのかを友だちと話しました。
ひとまず出張の行き先を聞いてみることにしたのです。
「和也?次の出張はどこなの?」
すると、
「どうしてそんなこと聞くの?いつもの所だよ!」
とちょっと焦った感じでした。
「行き先によって、ちょっとお土産でおいしいお菓子頼みたいなぁと思ってさ」
と嘘を私はつきました。
「そういうことかー。いつも同じお土産だと飽きるもんな」
とにっこり行き先を教えてくれたのです。
その行き先を友だちにすぐに伝えました。
すると、友だちがそんな遠くないから、私が少し尾行する!
と言ってくれたのです。
「同じ会社でも、そんなに一緒に仕事していないし、バレないと思う。私の車も知らないし、車でさりげなくついて行けるところまでついて行ってみる!」
そう言ってくれたのです。
友だちひとりに任せるわけにも行かないし、私も一緒に行くことにしました。
作戦
作戦は、出張の間、私は久しぶりに実家に行くと言うことで和也よりも先に家を出る。
そして、友だちの車に乗り、家が見えるところで待機。
和也が車で出かけたところを追いかけるというものでした。
和也に出張の出発時間を聞くと簡単に教えてくれました。
私の出発時間は30分前にしました。
「出張、見送れなくてごめんね。母親が一緒に買い物行きたいからって駅で10時に待ち合わせになったから、先に行くね」
と伝えると、不審に思うことなく
「久しぶりに親孝行しておいでよ!休みなのに一緒にいられなくてごめんね」
と言ってきました。
作戦当日
そして出張の当日。
作戦通り、私は9時半に出かけました。
そして、友だちの車で和也が出かけるのを待っていると・・・
10時過ぎに車が出てきました。
私は助手席だとバレてしまう可能性があるので、後部座席に乗り、友だちの車で着いていきました。
浮気現場
30分くらい走ると、アパートに到着したのです。
アパートの前に慣れた感じで車を停めた和也は、車から降りて、部屋に入っていったのです。
手には、出張の着替えの入ったカバンを持っていました。
私が固まっていると、友だちはすぐにカメラで写真を撮ってくれました。
この家には誰が住んでいるんだろう。
そのことで頭がいっぱいでした。
1時間もすると、女の人が出てきました。
その女の人の後ろから和也が出てきたのです。
部屋に入るときにもっていたバックはもっていませんでした。
そして、車に乗り込むと出かけていきました。
友だちに
「追いかけても大丈夫?」
聞かれました。
私はうなずき、追いかけることにしました。
行った先は近くのスーパーでした。
車から降りてきた二人はカップルのように手をつなぎ買い物を始めたのです。
私はもう浮気が現実なのだと感じました。
もう、これだけの証拠で十分だと思いました。
そして、友だちに
「もう帰ろう」
と伝えました。
友だちは私の気持ちを尊重して、車を運転し、家まで送ってくれました。
家に着いた私に
「りえ、一人で大丈夫?実家とかに送っていく?それとも少しご飯とか食べに行く?」
と提案してくれました。
正直、私は1人でいられないと思っていました。
少しご飯を食べに行って、実家に送ってもらうことにしました。
カフェに行き、友だちとこれからどうするかを考えました。
私はもうショックでどうするかなどは考えられませんでした。
でも、もうしばらく前から浮気をしているのは事実です。
「離婚」
という文字が頭に浮かびました。
「もう、離婚した方がいいのかな」
そう私がつぶやくと
「離婚を考えているなら、もっときちんと証拠をつかもうよ!」
と友だちが提案してくれたのです。
「もう一回行こう!」
と浮気相手のアパートの前まで行ってみることにしました。
もう一度浮気相手のアパートへ
アパートの近くまで行くと、ちょうど和也の車が帰ってくるところでした。
友だちからカメラを借りて、カメラを構えていると
車の中でキスをしているところを見てしまったのです。
私は一瞬固まりました。
「しゃしん!!」
友だちに言われ、は!と我に返り、写真を撮りました。
そして、2人で手をつないで、買い物袋をもち、家の中に入っていったのです。
その日はそこまでにして、実家に送ってもらいました。
久しぶりの実家
久しぶりに実家に帰ると、母が突然の帰宅に少しビックリしながらも歓迎してくれました。
夕食を作ってくれましたが、食欲がありませんでした。
必死に笑顔を作っていましたが、
「りえ、なにかあったの?お母さんで力になれることなら話していいよ」
と言ってくれました。
その言葉に涙が止まらなくなりました。
そして、全て母に話したのです。
母は頷きながら聞いてくれました。
話し終わった後に
「りえ、どうしたい?りえがもう辛いならお母さんは離婚していいと思うよ」
と言ってくれました。
そこに父が帰ってきました
私の久々の帰宅に喜んでくれましたが、私の表情をみてなにかを察したようでした。
母から全てを聞いた父は、
「お父さんの友だちに弁護士の仕事してる人がいるから聞いてみよう」
と言ってくれました。
弁護士に相談
父はすぐに友だちに連絡を取ってくれました。
弁護士の友だちは仕事は休みでしたが、状況を聞いて、必要なことを教えてくれました。
アパート前での証拠の写真があることは、とても有利であることを教えてくれました。
もし、離婚するのであれば、力になると言ってくれました。
出張からの帰宅
その日は実家に止まり、次の日、和也が帰ってくる前に私は帰宅しました。
和也は昼すぎに上機嫌で帰ってきました。
手にはお願いしたお土産をもっていました。
私は平然を必死に装いました。
そして、お風呂の時間。
そっとスマホを確認しにいきました。
そこには無防備のスマホが置いてありました。
同期の友だちに言われたように自分のスマホをカメラモードにして和也のスマホを開きました。
LINEを開いてもやっぱり何もなく、非表示リストを開くと出てきました。
時間がないので、ひととおり写真をとりました。
あとで、チェックしようと写真に収めました。
カメラの音は、シャワーの音でかき消され、バレることはありませんでした。
洗濯物の片付けをしていると1枚のレシートがポケットから出てきました。
それもとっておくことにしました。
その日の夜は平然を必死で装い、和也が寝てから、スマホの写真を見返しました。
週末に一緒に過ごしていたとわかるようなやりとり撮影できていました。
「今週末は何してすごす?」
というやりとりも撮影が出来ていました。
父と弁護士事務所へ
次の週、仕事を半日休んで、父と父の友人の弁護士事務所を訪ねました。
同期の友だちが撮影してくれた写真と先日のLINEのやりとりの写真を見せました。
弁護士は
「これは十分な証拠になると思います。ホテルに行っていたなどの領収があれば、不倫の証拠に強いのですが、これでも離婚の理由にはなります」
と言ってくれました。
「どうしますか?離婚の方向に持って行くのか、やり直す方向で持って行くのか、どうしますか?」
と聞かれました。
私はすごい考えました。
でも、心は決まっていた気がしていました。
「離婚でお願いします。」
そうお願いしました。
「慰謝料は300万円くらいは請求できるかと思います。相手の女性にも請求できますが、どうしますか?」
そう聞かれたので、両方に請求する形で依頼をすることにしました。
後は弁護士にお願いすることにして、事務所をあとにしました。
和也の実家へ
そして、その足で和也の実家にも父といくことにしました。
久しぶりの和也の実家に、両親は驚いた顔をしていましたが、話を聞いてくれました。
証拠の写真を見せ、離婚を考えていることを伝えました。
すると、最初は固まっていましたが、証拠があったのもあり、すぐに謝ってくれました。
「うちの息子が全て悪い。本当に申し訳ない。きちんと慰謝料なり何なり、請求してください。」
そう言ってくれました。
とてもいい両親だったので、心が痛みました。
そのあとは、父と役場に行き、離婚届など必要な書類をとりにいきました。
夜、和也との話し合い
父はそのまま私の家に来てくれました。
そして、弁護士の父の友だちも和也の帰宅の時間に合わせてきてもらいました。
和也はいつも通りに帰宅しました。
来客が来ていることにビックリしていました。
「和也君、しばらくだね。仕事で疲れているとこ、悪いんだけど、食事の前にちょっと座ってくれるかな?」
と父が言うと、和也は椅子に座りました。
「私は○○弁護士事務所の○○です」
と弁護士が自己紹介をすると
「なんだよ?りえ、なんかしたのか?」
と私が事故でも起こしたのかと思ったのか、真剣な顔になりました。
しかし、次に出てきたものを見て、和也の顔は変りました。
「りえさんとお父さんから依頼を受けました。この写真に心当たりはありますか?りえさんは、あなたとこの女性のことで大きなショックを受けています。離婚と慰謝料を求めたいと言うことで、私が依頼を受けました。」
と弁護士の説明を聞くと、和也は青ざめた顔をしました。
「これを聞いて、和也君、なにかいうことはあるかい?」
と父が言うと、
「これは、遊びです。本当に好きなのは、りえだけです。この女にしつこく迫られて、仕方なく・・・・」
と言い出したのです。
父が
「これを見ても仕方なくと言えるのかな?このやりとりは、和也君も気持ちがあるように見えるし、頻繁に会っているように思えるんだが」
と、LINEのやりとりを出しました。
「りえ!お前、こそこそこんなの撮影してたのか!!」
と和也は怒りました。
すぐに弁護士が
「夫婦の間なので、このくらいは問題ありません。それよりもあなたの行為のほうが問題があり、離婚の原因には十分です。」
と説明してくれました。
和也もその後自分の行為を認め、弁護士の慰謝料の説明などを静かに聞いていました。
そして、その場で離婚届と慰謝料の約束の書類にサインをしてくれました。
「りえは、このまま連れて帰ります。りえ、荷物をまとめなさい。」
と父に言われ、荷物をまとめました。
和也は放心状態で何も言葉を発することもせず、椅子に座っていました。
「書類はこちらで出しておきます」
と弁護士が説明をしてくれ、私が荷物をまとめ終わったときに3人で家を後にしました。
離婚後・・・
その後、父と残りの荷物を運びに別日に行き、離婚届も提出しました。
相手の女性へは、部屋が分かっていたことも有り、弁護士から内容証明が送られました。
すぐに相手の女性から弁護士に連絡があったそうです。
最初は既婚者であることを知らなかったと言っていたようです。
しかし、話のつじつまがだんだんあわなくなり、最後には既婚者と知っていたと認めました。
慰謝料の支払いにも応じてくれ、一括で支払ってくれました。
その後
私の会社にも離婚を伝えました。
会社の上司は理解もあり、私の仕事には全く支障はありませんでした。
和也はというと、同期の友だちの話では、同じ会社で和也が浮気相手と買い物しているのを見ていた社員が数名いて、そこから浮気していたことが発覚。
上司に離婚原因がバレてしまったそうです。
そして、だんだん会社で仕事がしにくくなり、異動命令が出されたそうです。
一番遠い支所に異動になり、細々とやっているそうです。
会社の上司の計らいも有り、和也とは仕事で会うことはありませんでした。
現在
離婚から5年が経ち、今、私は1人の子どもとすてきな夫と一緒に生活をしています。
離婚から2年がたったとき、久しぶりに高校の同窓会がありました。
そこで、久々にあった彼と付き合いが始まりました。
バツイチの私は付き合うことに反対しましたが、そんなことは彼は気にしませんでした。
彼の両親も私のバツイチという経歴を気にせず、受け入れてくれました。
私の両親も喜んでくれ、晴れて再婚をすることになったのです。
和也とは数年間、子どもを授かれなかったので、そこも不安でした。
なので、産婦人科で結婚前に検査をしてもらいました。
その結果は、私の体には問題はないというものでした。
それには正直安心しました。
しかし、子どもは授かり物です。
子どもが欲しいという気持ちはどこかにはありましたが、あきらめもありました。
再婚して1年後・・・
私の妊娠が分かったのです。
とても嬉しかったです。
彼も彼の両親も喜んでくれました。
私の両親もとても喜んでくれました。
そして今、かわいい女の子がいます。
今の夫はとても育児にも協力的です。
休みの日には、かならず家族サービスをしてくれます。
今も、出張と聞くと少し疑いたくなるときはあります。
きっと和也の浮気のトラウマが今もあるんだと思います。
でも、それよりも幸せを感じることの方がとても大きいです。
今の夫と娘と一緒にこれから前に進んでいきたいです。